新「山と狐の日常」

再配達SMS詐欺がやってくる

 昼下がりのスマホに、一通のSMSが着信する。特に不思議に思うこともなくSMSアプリを開くと、宅配便の再配達についてのお知らせだった。しかし妙だ。今まで再配達の案内がSMSで来たことはない。いつもなら「メール」か「LINE」に通知が来るはずなのだ。なにか人に知られてはマズイものを注文した記憶もない。そもそも独り暮らしだし。

 

 SMSの文面には、宛名や配達物についての記述が何一つなくて、文末のリンクを踏むように仕向けているだけだった。これは間違いない「フィッシング詐欺」だ。直感した。佐川急便のサイトによると、同様の手口で「再配達SMS詐欺」が広がっているらしい。配送業者に迷惑をかけたくないという、通販ユーザーの心理を巧みに利用した悪質なSMS詐欺だ。これに感染すると、自分のスマホが感染源になって詐欺SMSを拡散してしまう危険性がある。絶対にリンクを踏んではいけない。

燃え尽き太郎

 フカフカ快適なベッドで朝まで熟睡。朝風呂で汗を流してから朝食バイキング。いで湯号で旭川空港へ移動し、レンタカーを借りたら凌雲閣へドライブ。荷物を整理したら各々解散。旭川にUターンし王将の餃子定食をいただいたら、まっすぐ遠軽へ帰ってきた。「十勝-大雪」をやるには、まだ早かったのだろうか。悔いがないと言えば嘘になるが、一つの目標を立てて全力で闘った過程は学生時代の部活動みたいで楽しかった。でも、完走できなかった。化雲岳で一緒に下山してくれたのは嬉しかったが、自分の不甲斐なさは本当に申し訳ない。

十勝-大雪ならず

 北海道の大雪山を富良野岳から旭岳まで駆け抜ける「十勝-大雪」をやろう。はるばる伊賀からパク師匠がやってきた。去年のGW以来だけど、毎日ブログを見ているからなのか全然 ”お久しぶり感” がない。そんな地獄組フルメンバーでの挑戦だったが、天人峡エスケープの苦い結果となった。

 

 深夜の白銀荘を抜け出して凌雲閣へ移動。小雨の降る中、支度を済ませて4人は歩き出した。予報通り天気は悪く月明かりは期待できない、足元を照らすヘッドライトだけが頼りだ。それでも日の出前のオプタテ山頂では雲海の上に出て、マンダムな朝を迎えた。これがなかったら、精神的にやられていただろう。

 

 オプタテ-三川台間の濃密な笹ラッセル。歩くたびに身体が持ってかれるし、足元が見えなくて何度も転んだ。これを8キロも歩くんだから笹地獄と呼ぶに相応しい。まさに修行、一人では絶対に歩きたくない。この笹ラッセルに比べれば、日常感じるストレスなんて些細なものだ。誰だってオプタテ-三川台間を歩けば、他人に優しくなれるんじゃないだろうか。

 

 南沼からトムラウシ山頂をゲットし北へ。一度止んだ雨が再び降り出し、風も強くなってきた。短パンの上に履いたレインパンツが、太ももにピタリと貼り付く。体温が奪われてつらい、タイツを持ってこなかったことを後悔しても遅い。体温維持のためにガンガン体力が削られて歩く元気が湧かない。シロさんのペースも落ちている。このまま旭岳を目指せば、忠別か白雲の小屋でビバークも余儀なし。下山した今思い出せばそんな状況だった。あそこで天人峡下山を決断できる完走者コンビはやっぱり強い。

 

 天人峡から、ホテルベアモンテへ。倒木だらけの連絡路コース。化雲岳山頂では足が重く辛かったが、天人峡に降りて体温が回復すると歩ける余力があり最後のアドベンチャーを楽しんだ。今回の挑戦は失敗に終わったが、天気さえ良ければ完走は可能だと感じた。まぁでも、天気を言い訳にするのは反則だろう。たとえ予報が外れて風雨が激しくなっても、自力で下山できる力がなければ山屋としては失格なのだ。

 

 このチャレンジのためにトレーニングを積み重ねて過去最高に仕上がった6月を迎えたことは実感しているし、それでも「十勝-大雪」に歯が立たなかったこともまた実感している。これを糧に、また次の目標に向けて走っていこう。まずは、7月のトレラン大会だ。辛い思い出を忘れたら、また来年「十勝-大雪」に挑戦できるだろう。

パタゴニア