新「山と狐の日常」

ウェンシリ岳

 ひっでー山だった。たぶん、夏山で登ることは2度とないだろう。

 

 富良野-化雲から一週間。肉体・精神的疲労はもう抜けたので、いい加減に山へ行かなければならない。車を西へ走らせること2時間で滝上町と西興部村と下川町にまたがる「ウェンシリ岳」の登山口に到着。車通りのほとんどない峠道のドライブは楽しかったが、最終コンビニが滝上町のセコマなので行動開始時刻が早いとOPENしていない。今回は遠軽町内のセブンに寄ってからまっすぐ登山口へ向かった。天気は微妙だけど、1台くらい先行車があるかなぁと思ったが誰もいない貸切。電波も届かないので、車にトラブルがあるとやばい登山口だった。一応キャンプ場らしい。ウェンシリ山頂までは黙々と両手両足を使って前進するのみ。途中に急な岩場が2〜3箇所ほどあって、雲の隙間から景色が望めてラッキーだった。

 

 山頂はガスの中で展望なし。エゾカンゾウがゆらゆら揺れている。ピストンでは距離を稼げないので周回する。ピークから少し北へ歩くと、看板が朽ち果てた分岐点がある。人気のない「ウェンシリ岳」だが、笹刈りはしっかりされている。地元の有志がいるようだ。しかし、中途半端に残った笹の根っこが邪魔で快適な登山道とは言い難い。調子に乗って走ると、切り株につまづいて崖の下へ転げ落ちます。分岐からポロナイポ岳をピストン。鞍部から景色がみえたので、まぁ良しとしよう。往復3キロほどで1時間。

 

 分岐に戻って、不快調な稜線の登山道を北へ。ヒグマの痕跡多数。今まで見たことないサイズ、日高や大雪の比じゃねぇ「超ビッグ・オソマ」が連発する。「2015年に紋別で捕獲された400キロのヒグマ」を思い出した。オホーツクはヒグマに残された最後の楽園なのかもしれない。北の分岐に到着。足元をみるとソックスから膝にかけてマダニの大群がびっしり。小さな脚でよじ登ってくるので、デコピンを食らわせて落とす。空の色と同じ気持ちになる。

 

 マダニを避けるためにダッシュで下山。アスファルトの上に出て一安心。全身のマダニを駆逐してやる。1匹残らず。マダニを全滅させると雨が本降りになってきた。あとは、舗装路を六キロほど流すだけなので気楽。下り坂を楽しく走ると、ここにも垂れ流されたオソマが多数。「クマに追いかけられたらやべーなぁ」と考えていたら、突然後ろからクルマに追いかけられてビビった。軽トラのおっちゃん、飛ばし過ぎだぜ。

 

 無事下山し、撤収。滝上町に戻って「ホテル渓谷」へ。温泉じゃないけど。山でパンを一つ食べて、あまりお腹が空いていない。ランチは取らなかったけど、滝上の道の駅で「シバザクラソフトクリーム」を食べて帰宅。ノンストレスな峠道なので、燃費に優しい。

大雪山 13ピークス

 大雪山を思いっきり歩きたいので、とにかくたくさんの山頂を踏めるコースを描いた。

 

 入山は層雲峡。当然、ロープウェイなど使わずに下から歩く。登山口には立入禁止の標識があった、岩盤崩落の危険があるらしい。もっと危険なところたくさん歩いているので特に気にせず通過。5合目ロープウェイ降場までの道は悪い。登山者が少ない道が荒れるのは自然の摂理。藪をかき分け、蜘蛛の巣にまみれ、獣のワッシワシ音にビビった。5合目の観光地をパスして7合目へ。残雪が多くて登山道は沢のように水が流れている。立ち上がった笹が視界を邪魔して迷いそうになる。次第に空が明るくなってきたが、ガスは濃密。今日は晴れるのか?晴れてくれと祈るしかない。7合目でシマリスに挨拶して黒岳山頂を目指す。残雪はどんどん増えるが、前日までの踏み跡がたくさんあるので難しくはない。念の為、軽アイゼンもある。滑落に気をつけながら、手アイゼンを駆使して山頂に這い出た。風は弱い。白いガスが湧いているが、所々青空も見えるぞ。これは期待できる。さぁ長い旅の始まりだ。まずは石室へ。外人のカップルがテント泊していた。そのまま奥の桂月岳をゲットしてお鉢巡りスタート。豊富な残雪とガスで方向感覚が狂いそうになるが、こっから先も踏み跡がバッチリ残っていたので地図読みは不要だった。時々ガスが抜けて青空が見える。暑い。

 

 分岐を超えて北鎮ピークをゲット。さらに稜線を詰めて鋸岳、比布岳を通過。ハイマツに足を引っ掛けて切り傷を作ってしまう。その奥にでっかい愛別岳がドドんと姿を現す。いつみてもカッコ良い。愛別岳への登山道をショートカットしたら、ルートミスして急な雪渓の上に出てしまった。滑落したらタダでは済まなさそう。冷や汗が止まらない。慎重にリカバリして正規登山道に戻り一安心した。そこから先もコケたら怪我しそうなザレザレゾーンが続くが、いつも通り歩けば問題ない。最後は岩場をよじ登り愛別岳山頂もゲット。爆風ホワイトアウト以来の登頂で感動。振り返ると比布-安足間の稜線がかっこ良すぎる。記念撮影してUターン。再び急な雪渓を攻略するのが大変だった。

 

 無事稜線に復帰したら安足間へ。どこがピークか判然としない。ここで靴紐を締めなおして雪渓(通称;ハタコロ)を駆け下りる。あぁシャバランチ。あぁスキーがしたい。ここを降りたら向かうのは当然中岳温泉。懐かしい響き。誰かいるかと心配したが貸切。そういえば平日だった。

 

 足湯を堪能したらピンクデポ旗に沿って姿見方面へ。残雪を右往左往し、双子池が近づくと4人組のインバウンド人とすれ違う。めちゃくちゃデカイザック背負ってた。おまけに彼らが残した足跡もビックサイズで、なんだか楽しくなってきた。姿見は観光客で溢れあずましくない。そそくさと旭岳の夏道に取り付く。ガスはさらに濃くなって肌寒くなってきた。6・7・8合目と攻略していく。十数人の登山者とすれ違ったが、皆一様に風景を撮るフリをして僕にレンズを向けてきた。短パン半袖で旭岳に登っている僕のことがよっぽど面白いのか知らんが、バレバレです。SNSに上げなくても、個人が特定できる写真を撮るならちゃんと許可を取りましょう。という感じでストレスで発狂しそうになるころ山頂に至る。寒いので素直にカッパを着た。こんなことなら最初からカッパ着たらよかった。

 

 裏旭へ。真っ白い滑り台を駆け下りる。楽しい。再びお鉢へ、ここからの道は雪も人も少なくて快適だった。風を切り、気持ちよくトレイルを走り抜ける。稜線の向こうに白雲岳が見えてしまったら、もう行くしかない。松田岳、北海岳をパスして白雲へ走り出す。ここの区間が一番調子良かった。白雲分岐の手前で雪渓が繋がっていたので、山頂へダイレクトアタックを決める。白雲の岩場では、ナッキーの鳴き声に癒された。

 

 山頂到着。緑と白のゼブラが美しい。これを見るために「今日一日頑張った」と言ってもいいだろう。さぁ下山だ。まずは白雲分岐に戻り小泉岳へ。真っ平らな山頂。そこから南下して緑岳。緩やかな下り坂で、非常に快適なトレイル。また歩きたい。

 

 高原沼は残雪たっぷり。次の週末にはクレイジーな沼祭が開催されるんだろう。冷やかしに見に行こうかな。緑岳からは開通したばかりの高原温泉を目指す。岩だらけで不快調な登山道をゆっくり下るが、油断して思いっきりコケてしまった。リカバリが上手くいき大怪我しなくて済んだが、両膝がピクピク痙攣していた。登山道には先行者の足跡がたくさん、迷うことなく雪渓を攻略できた。合計、12時間30分で無事下山。

 

 高原温泉に到着。車を回してくれたモッチが待っていた。ここは夏の一時期しか営業していない幻の温泉。初訪問。最高の日帰り入浴を楽しんだ。

朝の天狗岳

 朝練天狗岳。真っ白いガスを掻き分けて山頂まで。笹の中の大型動物が、ワッシワシと大きな音を立てて近くを移動していったのにはビビった。たぶんエゾシカなのだろうが、登山道にはクマウンチ落ちてて気が気じゃない。神経すり減らしながらのソロハイクだった。キジバトが羽ばたく音が怖すぎる。

 

 下山すると雲は高くなって見晴らし良い。林道の下山は楽しいんだけど、奴が出てきそうで怖い。カーブごとに叫びながら降りてきた。天狗岳までなら2〜3往復できそうな気がするんだけど、ガスが濃いとやる気が出ません。どうか週末と天気がマッチしますように。

 

 今週もギョウジャパーティー。瓶詰め作業で完全燃焼。もうすぐ花が咲きそうなので、ギョウジャシーズンもおしまいです。

天狗岳-平山

 そうだ天狗山行こう。っことでサクッと天狗山を登って、ついでに平山まで縦走。コルは残雪多くて迷いました。

 

 天狗山と言うと、北海道内だけでも小樽や定山渓や増毛や二ぺの途中にもあるので紛らわしい。ここはかつて天狗山スキー場として賑わっていた山だが、現在は廃業してキャット限定のセレブなマウンテンになっている。下からスキーで登ると怒られるらしい。

 

 天狗ピークからは白滝丘陵が美しい。7月末にはここでトレラン大会に参加するのでしっかり鍛えておかなければならない。自宅から近い地の利を活かして、優勝あるのみ。まぁ日和って40Kの部なんですけどね。

 

 ニセカウはまだまだ白かったが、平山の稜線はすでに雪がない。おかげで楽しくトレイルを走ることができたが、風が強くて辛かった。ゆっくりお花を見る余裕はなかったが、ミネズオウが少し咲いていた。大会ではお花畑が徒歩区間に設定されているので、のんびり写真を撮りながらお花を楽しみたい。そんな感じで本番の下見をしながら往復8時間のトレーニングだった。

 

 下山途中、スキー場でエゾユキウサギとすれ違った。二頭でイチャイチャしている様子だったが、僕が全速力で走りおりてきたのでビビらせてしまったかもしれない。一頭はどこかに逃げていったが、もう一頭がじっとしていたのでiPhoneで撮影してあげた。二週間前はヒグマとすれ違ってびびらされたけど、今週はゆっきーと出会えて幸せでした。

 

 おまけにギョウジャニンニクゲット。醤油と日本酒で保存。今年はもう会えないかと思ったけど、うめぇーよ、マジでうめぇーよ。

雌阿寒サーキット2周

 雌阿寒岳。3年ぶり(?)。ドライブ中に蜂が車内にダイブしてきて、僕の足元に叩きつけられた。まじで、ビビった。防寒テムレスを使って、道路の真ん中に優しく放置しました。

 

 スキー納めも済んだことだし、ハイキングシーズンに向けて身体を作らにゃならない。去年はひたすら”フッタル”に通っていたが、現住所の遠軽町周辺で良さげなコースはどこか悩みどころ。大雪山系はまだまだ雪がたっぷりあるだろうし、知床方面はランニング向きの山は少なそう。それで結局、阿寒湖。フッタルも支笏湖からスタートするし、なんだかんだカルデラ火山に落ち着く。

 

 今回の雌阿寒サーキットコースの利点は、

  • 舗装路がほぼ無い
  • 一周13キロ(阿寒富士含み)で、周回数を調整しやすい
  • 木道・ハイマツ帯・ザレ地・岩場等の地形バリエーションが豊富
  • 下山後の温泉ゴール

 

逆に不利点は、

  • 百名山なのでお客さんが多い(その代わりにヒグマの心配は少なくて済む)
  • 岩場が多くて走れる距離が短い
  • あと、遠軽から遠い

 

 総合評価でフッタルの方が楽しいけど、まぁ贅沢は言うまい。遠軽は層雲峡が近い(約1時間30分)ので、雪が減ったら赤岳周辺をトレーニングコースにしたいと考えている。それまでのつなぎでしばらくは阿寒湖に通うことにしよう。

 

 支笏湖ほど大きくないけど、オンネトーはいつも青い。

 

 湖畔には、オオサクラソウの群落。

 

 阿寒富士のザレは、ラバーをゴリゴリ削る。

 

 阿寒湖にも「フップシ岳」がある。残念ながら登山道はない。もう一つ奥の雄阿寒岳まで繋げると、ロングな剣ヶ峰コースと20キロのロードが追加される。いつかやる日が来るのだろうか。

 

 それにしても、今日の二周目は地獄の暑さだった。腕時計の温度計は30度を下回ることはなくて、(精度が微妙だけど)最高で37度まで上がった。ガチで熱中症になるヤバいレベルだ。なので、二周目は無理せず休み休み登ることにした。それでも脹脛の熱がなかなか抜けずに、足が上がらなくて辛かった。まだ身体が夏山に慣れていないのか、水をガブガブ飲んでも汗が出てこなくて余計に辛い。

 

 山の中でさえ高温だって言うのに、下界は北海道の過去最高気温を更新しているって言うからどうかしている。当然のように北見の山岡家に寄り道して帰宅。自宅のドアを開けると、昼間に篭った熱気がむわーん。

パタゴニア